Okey-Dokey オキドキ|時計旋盤・工具・ウォッチメーカーツール

時計師が営む機械式時計用工具輸入販売(主に時計旋盤整備・販売)Okey-Dokey オキドキ

『オキドキ 時計旋盤』でエゴサをしてみました

ホームページを開設した当初は、ちゃんと検索に引っかかってくれるのかと心配で、何度かエゴサをかけていたのですが、最近久しぶりに『オキドキ 時計旋盤』でググってみました。
検索結果は時間経過とともに少しずつ違うものとなっている様子ですので、下記に記す内容はすでに結果として表示されないものもあるかと思いますが、投資詐欺などで問題になっているような他人の名前を勝手に使った詐欺行為を連想させる、ひどい使われ方をされている例がいくつもありました。
様々な物を安く販売している、よくある総合的な販売サイトの中にも何例か見られました。
私がホームページで使用している画像や販売時の物などをそのまま使用し、説明文も丸ごとコピペしたといった具合です。価格は当然のように半額程度にされていました。これらは完全な詐欺サイトです。

あるいは、検索結果候補にはオキドキの名前が記載されているのですが、実際にクリックをしますと、404のエラー表記になってしまうものや、オキドキとは全く関係のないサイトが現れるといったケースもいくつか見かけました。
詐欺販売サイトは、全体の構成がいかにもといった造りで、多少なりとも知識があれば、引っかかる人はそうそういなだろうと思いはしましたが、やはり多少心配をしております。皆さんお気を付けください。

これを書き始める前にも、今一度検索をしてみたのですが、今回私が問題にしたかったのは、私とは関係のないサイトがあたかも私のもののように感じさせる表示内容についてです。
一例として、
時計旋盤の選び方|Okey-Dokey - オキドキ|時計旋盤整備
という項目が現れ、その下にいくつかの検索結果が表示されました。しかし、多くが私の書いた記事ではありませんでした。
また、
時計旋盤 オキドキの動画
という項目の下にも、私とは関係のない動画の候補がいくつも出てきます。
実際にそのサイトにとびましても、会社名などは記載されていない場合も多く、私のアップした動画と誤認してしまうほうがむしろ自然です。
こうした状況は、皆さんには周知の事実であろうかとは思いますが、実際に被害を受けている(金銭的な被害ではありませんが)私の立場から致しますと、これは由々しき状態です。
おそらくこれはシステムが勝手にやっていることで、誰かが恣意的に行っていることではないとは考えております。

ただ、そうした動画などを見ておりますと、私ならばこのようなことは絶対に言わない、書かないといった間違った内容が平気で述べられていて、私にはこうした点がもっとも気になりました。
時計旋盤の整備(メインテナンス)といった内容の動画は、知りたい情報が得られると皆さんに期待させてしまうのでしょう、再生回数も多く影響が大きいと思います。
私がそうした動画を安易にアップしないのは、そうした動画では肝心な点を表現することが難しいと考えることが大きいのですが(例えば、スピンドル軸受け部の適正アガキはどれほどであるのかを動画では伝えられませんし、このアガキが適正であるかどうかはその旋盤の精度維持に大きな影響を及ぼします。当方をご来訪いただいた方々には必ずこうした重要な点のご説明をさせていただいております)、加えて他人の知識をそのまま流用して、あたかもその人物のオリジナルであるかのように装おうとする輩に手を貸す(真似をされる)ことを避けたいとの思いも正直なところ多少あります。

ヘッドストックの分解時に、どこを持ってスピンドルをハンマーで叩くのかといった点では、(本当に多くの問題児達に対処してきた経験があったなら)それはやらないだろうとつい口にしながら見てしまいました。
またこれは問題が大きいですので、ここにはっきりと記載させていただきますが、分解掃除を終えた後、注油の為にその動画の整備者が取り出した物がWD40のスプレー缶だったのには本当に驚きました。
この製品は、さび付いた箇所をとりあえず動く状態にする目的や、保管時のさび止めとして使用する為の物で、潤滑の為のオイルではありません。
時計工具に限らず、機械製品を販売している多くの企業が、WD40やCRC5-56などを潤滑油としては使用しないでくださいと様々な場面で訴えています。
もしさび落としや保管のためにそうした類の物を使用した場合は、必ずパーツクリーナーなどでしっかりと落としてから、その後適正な潤滑油を塗布し使用を開始するようにしてください。

時計関係の方にはあまり縁は少ないかもしれませんが、最近私は必要にせまられてボールベアリングを扱う機会が多くなり、耐圧性の高いグリスやオイルについて調べていて、よく下記のような間違いを目にいたしました。
開放型のボールベアリングの使用を開始する時にやりがちなのが、新品のボールベアリングのビニール袋の封を切った後に、元々塗布されているさび止めの為のオイル(防水油)を落とすことをせずに、そのままグリスを塗り込め始めてしまう例です。防水油はパーツクリーナーで必ず落としてくれるようにとメーカーも明確にアナウンスしております。
こうした誤りは本当に多くの動画で見かけましたし、加えてさらに問題なのは、回転数が上がることが前提の使用目的の場合であっても、あたりまえのように内部に100%のグリスを満たしているケースです。
これは回転抵抗が大きくなってしまうことがあり問題ですが、加えて過多なグリスは想定外の発熱に繋がり、グリスを変性させてしまい本来の性能を発揮できなくしてしまいます。
通常は30%から40%程度に抑えるべきです。

今回はエゴサの結果に着目して書かせていただきましたが、これまでも時計旋盤に関する検索をしていて、あまりに滅茶苦茶なその内容に驚くことが多々ありました。
皆さんもご自分の専門分野において、おそらく同じ経験をされていることと推察いたします。非常に便利ではありますが、ググることの怖さを今一度再認識していただくことのきっかけになってくれれば幸いです。
一方で、最新のAIのすごさ、自然な回答には感服いたします。ただ、これらを作成、運用していくことでの地球への負荷の大きさが問題にされ始めていて、これはこれで単純に驚いてばかりもいられないのですね。

閑話休題、次はボールベアリング仕様のミリングアタッチメントスピンドルに関わることを書かせていただきたいと思いますが、長くなりましたのでまた明日にでも。



 
2024年08月17日 00:28

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事業所名 Okey-Dokey(オキドキ)
電話番号 044-954-7776
営業時間 10:00〜18:00/不定休
ショールーム 14:00〜18:00(要予約)
所在地 神奈川県川崎市多摩区
事業内容 機械式時計用工具輸入販売/主に時計旋盤の整備・レストア

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